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マッチうりのしょうじょ、発売。


アンデルセンの繊細で切ない物語も、

グリムのちょっと影のある残酷な語も、

どちらも好き。


定番童話の絵を描きたいとずっと思っていたから

アンデルセン童話の絵本を

描かせてもらえたことはとても嬉しい。


アンデルセンだったら『人魚姫』がよかったな〜、

とか、

グリムの『熊の皮をきた男』や『森の中の三人の小人』など、

マイナーな物語の絵本を描きたかったな〜、

とか、

最初はいろいろ思ったけれど。




例えば今『マッチうりのしょうじょ』のような物語を

だれかが新しく書いたとしても、

出版には至らないのじゃないかなぁと思う。


児童労働は………

とか

ネグレクトは……

とか

宗教色が強いのは……

とか。


でも、「昔からあるもの」ということで

アンデルセンやグリムなどの昔話は

あれこれタブーのある現代でも

ちゃんと出版され、読み継がれている。


昔話って大切だな、と思う。





「マッチうりのしょうじょ」、

知ってはいたけれど、

改めていろいろなことがわかったり、

物語の隅々まで感じ取ることができた。


「マッチうりのしょうじょ」は、

クリスマスの夜のお話かと思っていたけれど、

大晦日から元旦にかけてのお話だった。


原作では

少女は「帽子もかぶらずに…」と書かれているそうだ。

貧しくて帽子は持ってないかもしれないけど、

寒さを凌ぐ為に

使えそうなモノを使った違いない、と思った。

だから、

少女が頭に被ったり首に巻いたりしているのは、

ウールの帽子やストールやマフラーではなく、

ただの薄い布。


洋服も、お父さんお母さんや

おばあちゃんのお古を着ているので、

どれもサイズが合っていない。

コートなんていう防寒着は持っていないので、

着れそうなものを全部着込んで、

マッチをうりにでかける。


途中で出会った黒猫の子猫。

描き始めたころは、

猫は、少女と一緒に天に登るかな〜と思っていた。

でも、描いてみたら、

少女は猫を連れていかないような気がした。

大好きなおばあちゃんと一緒に行きたい、

連れて行って!置いていかないで!

無我夢中で、他のことは何も考えられず、

子猫のことを思う余裕はなかっただろう。


だから、子猫はこの世に残った。

きっと、あのおばさんの家で暮らすことになるはず。

よかった。




で、

例のアイツ。















さすがに「マッチうりのしょうじょ」には

登場しないだろうと思ったけど

(「ざしきわらし」の時も同じこと言ってたな)

ぎりぎりセーフでチラっと居ましたね。

許して。






『マッチうりのしょうじょ』原画展+作品展

2018年12月10日〜22日 日曜休み

11:30 - 19:00 土曜日は17:00まで

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